無になる
英文は「何も考えない」にしました。
その昔お茶を始めた頃、
先生から無になりなさいと
言われました。
お稽古で、次はどうする？
柄杓を引いたら水指の蓋 など、
手順など、次の事が頭の中をぐるぐると
思い巡らしながらお点前をしていました。
先生からしたら私の頭の中なんて
お見通しだったんでしょうね。
何も考えない事。と
仰って下さったんです。
まずは言われた事をしてください。
けれどこれができないんです。
特に年齢が上がって行くともっと
できません。
それから職業も関わってきます。
自分で考える事、創意工夫をする事、
手早く終わらせる工夫、人にアドバイスする、
人を動かす。
などこれらは仕事に必要な要素です。
少し前に生徒さんが、
「先生、このお点前やりにくくないですか？
こうしたらいいんじゃないでしょうか？」
と点前手順を変えるような自分の
アイディアを言いました。
お稽古を始めてから数年経つと、矛盾や
疑問が出てきます。
彼女は本当にこうした方がいいと
思ったんでしょう。
職業柄やりやすいように、手際良く
出来た方がいいのは当たり前です。
しかし
勝手に点前手順を変える事など
御家元以外出来ません。
いくらやりにくくても、それはたいした
事じゃないんです。
何百回も同じ動作を繰り返して、
体に覚えさせる事、身に付ける事が
お茶の道の部分だと思うんですよ。
同じ事を繰り返し繰り返ししていると、
つまらなくもなりますし、だらけますよね。
でもそれが「身に付く」なんです。
以前にも同じような話をしていると
思いますが、(^_^;)
歳を取るとしつこくなるのかしら？
疑問もたくさんあるでしょう。
でもお稽古の時はお稽古に集中して下さい。
頭で考えないで、はい、と言って
言われた事だけやってみましょう。
そのうち自然と身体が動いて行きます。
